CFDと先物の違いとは?各商品の特徴や選び方を解説

CFDお役立ちコラム

本記事ではCFD取引と先物取引の特徴や違いなどを詳しく解説します。それぞれどのような方に向いている取引なのかも紹介しているため、どちらに投資すべきか迷っている人は参考にしてください。

CFD取引とは?

CFDとは「Contract for Difference」の略語で、日本語では「差金決済取引(証拠金取引)」と呼ばれるデリバティブ取引の一種です。

値動きの対象となる資産そのものを現物で受け渡すのではなく、取引開始時と終了時の価格差によって生じた損益のみを受け渡すことで取引を行う仕組みになっています。

ここではCFD取引の主な特徴を詳しく解説します。

CFDの特徴①:取引商品が多い

CFDは取引できる銘柄の種類が多いのが特徴です。東京証券取引所やNY証券取引所など、国内外証券取引所に上場する株式や世界の主要な市場の株価指数先物、債券先物等が取引対象となっています。

多くの選択肢があるため、目標とするリターンや許容できる損失幅に合わせた商品を選ぶことが可能です。

CFDの特徴②:取引時間が長い

CFDは一般的な株式投資と比べて、取引時間が長いのが特徴です。銘柄によって取引時間は異なるものの、ほぼ24時間何かしらの銘柄が取引できます。

土日は取引できませんが、多くの場合、日本の祝日や夜間は取引可能です。日中忙しい人でも比較的時間に縛られず柔軟にトレードできるのが、CFDの魅力といえるでしょう。

CFDの特徴③:レバレッジをかけた取引ができる

CFDは「レバレッジ」と呼ばれる、てこの原理を活用した取引ができるのも特徴です。

証拠金と呼ばれる資金を預け入れることで、手元資金以上の大きな金額の取引ができるようになっています。少ない資金でも利益を狙えるため、効率良く投資できるのが魅力です。

ただし無制限にレバレッジをかけた取引ができるわけではなく、最大レバレッジは商品ごとに5〜20倍の範囲で決められています。

CFDの特徴④:売りからも取引できる

売りから取引を始められるのもCFDの特徴の一つです。

買いから取引を始めた場合は、買った価格よりも高い価格で売れれば利益を出せます。一方、売りから取引を始めた場合、売った価格よりも低い価格で買い戻せれば利益を出せる仕組みです。

売り取引を活用すれば相場の下落局面でも利益をあげられる可能性があるため、取引のチャンスが多くなるでしょう。

先物取引とは?

先物取引とは特定の商品(原資産)を、将来のあらかじめ定められた期日に、現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引を指します。

価格が変動しやすい商品でも現時点で取り決めた価格で購入できるため、価格変動リスクを回避できるのが利点です。

たとえば12月にある金融商品を10,000円で売買する先物取引をしたとしましょう。その場合、12月の時点で11,000円に値上がりしている場合は、買い手にとって1,000円の利益となります。一方、9,000円に値下がりしている場合は買い手にとって1,000円の損失(売り手にとって1,000円の利益)となります。

原油や金、とうもろこしなどの商品を対象とした取引だけではなく、日経平均株価やダウ平均などを対象とした取引も可能です。

以下では、先物取引の特徴を詳しく解説します。

先物の特徴①:差金の受渡しで決済される

先物取引では売買の度に現物(有価証券や代金)をやりとりをするケースは少なく、多くの場合売買により生じた損益のみ受け渡し、決済をします。

現物をやりとりしないからこそ、商品だけではなく株価指数のような形のない物も投資対象とできるのが特徴です。

先物の特徴②:取引できる期間が設定されている

先物取引には「限月」と呼ばれる取引の期限があります。一般的な株式投資では自ら売却しない限り株式を保有し続けられますが、先物取引では限月がくると自動的に決済されるのが特徴です。

基本的に日本の債券・株式指数などの先物取引では、3月・6月・9月・12月が限月(オプション取引の限月は毎月)となり、たとえば12月が限月の取引は「12月限(12がつぎり)」と呼ばれます。

先物の特徴③:売りからでも取引できる

株式投資では「買い」注文からスタートし、値上がりしたタイミングで「売り」注文を出すのが一般的です。そのため、取引できるのは基本的に相場の上昇局面に限られます。

しかし、先物取引は「売り」注文からスタートすることも可能です。相場の下落局面では「売り」から入り「買い戻す」と利益が得られます。ただし、予測に反して相場が上昇した場合には、損失を被るため注意しましょう。

先物の特徴④:レバレッジをかけた取引ができる

先物取引ではレバレッジを活用することで、手元資金より大きな金額の取引もできるのが特徴です。

一般的な株式投資と異なり、先物取引では取引に必要な金額(想定元本)全額を用意する必要はありません。その代わりに「証拠金」と呼ばれるお金を、担保として証券会社の口座に預けます。

証拠金の額は想定元本の数分の1から数十分の1の水準で設定されており、たとえば必要証拠金が想定元本の10分の1と決められている場合は「レバレッジ10倍」と表します。
このようなレバレッジを活用した取引は、現物をやりとりしない差金決済取引だからこそできる取引といえるでしょう。

CFD取引と先物取引の違い

CFDには先物を原資産とする銘柄が多く存在しています。また、いずれも差金決済取引をするため、ほとんど同じ商品に見えるかもしれません。しかし、実際には取引ルールやコストに大きな違いがあります。自分に合った取引方法を選ぶために、両者の特徴の違いを理解しておきましょう。

以下では、CFD取引と先物取引の違いを詳しく解説します。

売買方法(取引の仕組み)

CFD取引と先物取引はいずれも買いと売りの両方で利益を狙えるのが大きな特徴です。相場が上昇・下落どちらの局面でも対応できます。

ただし、取引の仕組みには若干の違いがあるため注意しましょう。

先物取引は証券取引所で売買を成立させる「取引所取引」です。一方、CFD取引には取引所取引(取引所CFD)と店頭取引(店頭CFD)の2種類があります。

取引所CFDは「くりっく株365」とも呼ばれており、東京金融取引所に上場する国内外の株価指数と商品ETF(上場投資信託)を取引の対象としています。証券会社を通じて証券取引所に注文を出して取引を成立させるのが特徴です。

一方、店頭CFDでは証券取引所を介さず証券会社が売買の相手となって取引をします。そのため、売買の際に適用される価格は証券会社によって違いがあります。

コスト

先物取引では取引手数料がかかるのが一般的で、その金額は証券会社によって異なります。一方、CFD取引では基本的に手数料はかかりません。そのため、手数料をかけずに取引したい場合はCFD取引の方が有利になるといえるでしょう。

ただし、CFDでは「スプレッド」を実質的なコストとして負担しなければなりません。スプレッドとは、買値と売値の差のことです。スプレッドは基本的に変動制となっており、市場の流動性が低下しているタイミングや、取引時間帯などによっては広がることもあります、そのため、CFDの場合取引にかかるコストも都度変動する可能性があることは覚えておきましょう。

決済期限の有無

先物取引は決済期限が決まっており、期日が来ると自動で決済されてしまいます。損失が出ている状況でも決済されてしまうため、意図しない取引となってしまう可能性もあるでしょう。

一方でCFD取引は決済期限がないため、比較的自由度の高い取引ができるのが魅力です。自分で取引タイミングを決められるので、利確や損切りなども柔軟に行えます。

ただし、決済期限がない分、CFDでは価格調整額や金利調整額などのコストが発生する可能性がある点には注意しましょう。

先物を参照原資産とするCFDでは、原資産となる先物取引の限月を乗り換える際に、乗り換え前の価格と乗り換え後の価格を調整する必要があります。このときに発生する費用が価格調整額です。

金利調整額は、保有しているポジションを翌営業日に持ち越す際にかかるコストのことを指します。

レバレッジ

CFD取引では、商品の種類によって最大レバレッジが以下のように定められています。

一方、先物取引のレバレッジは10〜30倍程度で、商品により異なります。銘柄によって異なりますが、株価指数銘柄の場合は先物取引の方がよりハイリスク・ハイリターンとなる傾向があることを理解しておきましょう。

また、CFDや先物取引でレバレッジ取引をするうえで注意しておきたいのが「追加証拠金(追証)」です。追証とは、預けた証拠金が一定割合を下回った場合に証券会社に支払わなければならないお金のことを指します。急な相場変動があった場合には、損失額が預けた証拠金額を上回ってしまい、多額の追証を支払わなければならないケースもあります。

ただし、CFDの場合はロスカットと呼ばれる仕組みがあります。ロスカットとは、損失が一定水準に達すると、強制的に決済をして必要以上に損失が拡大することを防ぐ仕組みです。

取引単位

先物取引と比べてCFDは取引単位が小さく、少額から取引できるのが一般的です。

たとえば、GMOクリック証券で取引可能な「日本225」は日本225CFD価格の10倍から取引できます。一方、日経平均先物(ミニ)の場合、日経225先物価格の100倍からの取引しかできません。レバレッジを考慮しても、CFDの方が先物取引と比べて小口から始められる点は魅力といえるでしょう。

取引時間

CFD取引はほぼ24時間取引が可能です。一方、先物取引は平日8:45~15:15、16:30~翌朝5:30までの取引が一般的となっています。

大きな差はありませんが、少しでも取引のチャンスを増やしたい人はCFDを取引するのも一つの手かもしれません。

銘柄

先物取引では国内外の株価指数やREIT指数、国債証券、貴金属など幅広い銘柄が取引できます。ただし、売買の対象となる商品は定款等で上場商品が定められているため、大阪取引所や東京商品取引所に上場している商品以外は取引できません。

一方CFD取引では、商品先物取引業者が商品を設計できるため、比較的バラエティに富んだ銘柄を取引できます。

株価指数や商品などはもちろん、ハイレバレッジ型のETFや個別株などを原資産とする、比較的ハイリスク・ハイリターンな商品も売買可能です。

CFD取引と先物取引の違いを踏まえた選び方

CFD取引と先物取引の違いを踏まえると、人によって向いている取引が異なることがわかるでしょう。
ここではCFD取引と先物取引、それぞれに向いている人の特徴を解説します。

ただし、ここであげた特徴にあてはまらないからといって、取引を諦める必要はありません。あくまでも参考程度に捉えておきましょう。

CFD取引が向いている方の特徴

CFD取引は投資初心者に比較的向いているといえるでしょう。

先物取引と比べて少ない資金で始められるため、まずは少額からリスクを抑えて投資を始めてみたいと考えている人に適しています。また、決済期限も決められていないため、相場状況に合わせて柔軟に売買できるのも初心者にとって取り組みやすいポイントといえるかもしれません。

先物取引が向いている方の特徴

先物取引は中〜上級者の投資家に向いているといえます。

先物取引では決済期限が決まっているため、短期間の値動きをなるべく正確に予測しなければ利益を得るのは難しくなってしまうでしょう。そのため、ある程度の相場観や判断力が求められます。

大きなレバレッジをかけた取引ができるのも、先物取引のメリットです。しかし、大きな利益を狙える反面、短期間で大きな損失を出してしまう可能性も否定できません。適切な資金管理やリスクコントロールが必要になる点で、先物取引はある程度投資に慣れてから取り組むのが無難といえるでしょう。

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まとめ

CFD取引や先物取引はどちらも、売買により生じた損益のみの受渡しを行う「差金決済取引」です。レバレッジをかけられる点や売りから取引をスタートできるなど、多くの共通点があります。一方、取引にかかるコストや取引時間、決済期限の有無などに違いがあることも理解しておきましょう。

どちらの取引方法がよいとは一概にいえません。それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、どちらが向いているかを考えてみてください。

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