FXの米ドル/円とは?円高・円安の考え方や特徴、取引する際のポイントを解説

FXネオお役立ちコラム

FXの米ドル/円とは?円高・円安の考え方や特徴、取引する際のポイントを解説

本記事では、FXにおいて最もメジャーな通貨ペアである「米ドル/円」の特徴や取引する際のポイント、注目すべき経済指標に焦点を当てて説明します。

FXの米ドル/円とは?

FXの米ドル/円とは?

米ドル/円は、経済ニュースで頻繁に取り上げられることもあり、多くの日本人にとって馴染み深い通貨ペアだと考えられます。米国と日本の経済動向が米ドル/円の値動きに影響を与えることが多いため、ニュースや新聞などで経済情報が入手しやすい点は、初心者にも取引しやすい通貨ペアと言えるでしょう。

FX取引においては、「米ドル/円の買い」だと、米ドルを買って、日本円を売ることを指し、逆に「米ドル/円の売り」だと、米ドルを売って、日本円を買うことを指します。

米ドル/円は国内のFX取引で圧倒的な人気を誇り、この人気に支えられた高い流動性と、実質的な取引コストであるスプレッドが狭い点が特徴となっています。

FXの「米ドル/円」と「円/米ドル」の違い?

FXでは、2つの異なる通貨を組み合わせた通貨ペアが取引の基本単位となり、その組み合わせ(並び順)によって意味が異なります。

例えば、「米ドル/円」と「円/米ドル」の違いをみていきましょう。
米ドル/円とは、1ドルが何円と交換できるかを指します。つまり、1ドルが100円である場合、米ドル/円のレートは1ドル=100円となります。
一方、円/米ドルは、1円が何ドルと交換できるかを示します。例えば、1円が0.01ドルである場合、円/米ドルのレートは1円=0.01ドルとなります。

通貨ペアの左側に記される通貨を「基軸通貨」と呼び、右側に記される通貨を「決済通貨」と呼び、基軸通貨は1単位あたりの価値を示し、決済通貨はその価値を基準としたときの交換レートを指します。

FXの米ドル/円における円安や円高の考え方

FXの米ドル/円における円安や円高の考え方

円高とは、他の通貨に比べて日本円の価値が上昇する状況を指し、円安はその逆で円の価値が低下することを指します。
米ドル/円を例にすると、1ドル=100円から1ドル=90円になると「円高」となり、1ドル=100円から1ドル=110円になると「円安」となります。

FXでは、円高や円安のいずれの状況下でも利益を得る機会があります。
例えば、1ドル=100円の時に1万通貨のドルを購入し、円安で1ドル=110円になった際に売却すると、10万円の利益が生まれます。

逆に、1ドル=100円の時に1万通貨のドルを売却し、円高で1ドル=90円まで下落した時に買い戻すと、同様に10万円の利益が得られます。
このようにFXは売りからも取引ができるため、円高・円安いずれの状況でも利益を得ることが可能です。

FXのドル円を取引する際のポイント

FXのドル円を取引する際のポイント

米ドル/円の取引を行う際には、幾つか抑えておかなければならないポイントがあるので詳しく解説します。

経済指標や要人の発言に注意する

為替変動要因となる経済指標としては、「GDP」「貿易収支」「消費者物価指数」などがあります。これらの指標は経済の状況を数値化したものであり、指標の結果次第では為替相場の変動を引き起こすことがある重要な指標となります。

経済指標は定められた日程で定期的に発表され、予想と結果の差異、前回結果との差異などに応じて相場の動向が変化するため、日頃から経済指標の発表日時をチェックするようにしましょう。

また、要人発言(首脳、財務官、中央銀行関係者など)も非常に重要で、景気の状況や将来の見通しを含む発言をした場合、為替相場の変動の要因となります。
経済指標の発表日や要人発言を注視し、市場の動向を把握するための情報源として利用するようにしましょう。

ゴトウ日の値動き傾向を確認する

「ゴトウ日」とは、毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日など、5と10がつく日のことを指します。これらの日は多くの企業が決済日であり、海外の取引先に支払うために大量のドルが必要となるため、為替市場においては東京時間の「仲値」に向けてドル高・円安の傾向が生じやすくなります。

「仲値」とは、金融機関が為替取引の基準とするレートであり、毎朝9時55分の為替レートのことを指します。この時間に向けて実需の取引が活発になり、市場での為替レートに影響を与える可能性があります。

したがって、「ゴトウ日」の仲値付近では市場の動きが活発化し、為替相場に変動が生じやすくなります。取引を行う際は、このようなポイントを把握しておくことが重要です。

アメリカの祝日を把握しておく

日本が平日でも米国が祝日だった場合、米国のニューヨーク市場は休場することがあります。この場合、米ドルに関連する通貨ペアの流動性が低下し、価格の変動が不安定になる可能性があります。
そのため、アメリカの祝日を把握しておくことは重要です。例えば、1月第3月曜日の「Martin Luther King, Jr. Day」や5月の最終月曜日「Memorial Day」などは、日本が通常の平日であっても、米国が祝日となり、このような日には、市場の変動が予測しにくくなるため、投資家は注意が必要です。

FXの米ドル/円相場に大きな影響を与える経済指標・金融政策

FXの米ドル/円相場に大きな影響を与える経済指標・金融政策

ここでは、米ドル/円相場に大きな影響を与えるメジャーな指標・金融政策を解説します。重要な指標発表の時は相場が大きく動く可能性があるため、収益の機会でもありますが、損失が発生する可能性もあります。そのため、すでに保有しているポジションを一旦クローズさせるなど、リスク管理を意識した取引を心がけましょう。

米国雇用統計

米国雇用統計は、米国の雇用状況を示す重要な経済指標であり、米国の景気の実態を反映します。通常、毎月第1金曜日に米国労働省から発表されます。米国雇用統計の中でも、失業率、非農業部門雇用者数、平均時給の増減などが特に注目されます。
雇用統計の結果が事前予想よりも良好であれば、米ドルの需要が高まりやすくなり、米ドルが買われる傾向にあります。一方で、結果が予想よりも悪ければ、米ドルの需要が低下しやすくなり、米ドルが売られる可能性が高まります。

新規失業保険申請件数

新規失業保険申請件数は、失業者が失業保険の給付を初めて申請した件数を指します。この数字が増加すると、失業状況が悪化していることとなり、米国の雇用状況を把握するための重要な指標となります
米国労働省は毎週この統計を集計し、木曜日に前週の数値を発表しています。雇用状況が悪化すると個人消費が低下し、経済が不振になる傾向があるため、米ドルが売られる可能性が高くなります。

米国消費者物価指数(CPI)

米国消費者物価指数は、一般消費者が購入する商品やサービスの価格変動を調査して指数化したものであり、インフレーション(物価上昇)を示す代表的な指標の1つです。この指数は毎月中旬に米国労働省によって公表されます。
消費者物価指数の結果が予想値を上回る場合、市場では米ドルの需要が高まり、米ドルを買う反応が強まる傾向があります。逆に予想を下回る場合、米ドルの需要が低下し、米ドルを売る動きが強まる傾向があります。

GDP(国内総生産)

GDPとは、一定期間内に国内で生み出された財とサービスの付加価値の総額を表す経済指標であり、国の経済規模を測るための重要な指標の1つです。米国商務省経済分析局が速報値を1月、4月、7月、10月に発表します。改定値、確報値などもありますが、この速報値の内容が特に注目されます。
GDPの結果が予想を上回る場合、通常は米ドルの需要が高まり米ドルが買われる傾向になります。逆に、予想を下回る場合、米ドルの需要が低下し米ドルが売られることになります。指標が予想に対して強かったり弱かったりすることで、為替市場における米ドルの動向に影響を与えるため、押さえておきたい経済指標の1つとなります。

FOMC(アメリカの金融政策決定会合)

FOMCは、米国の金融政策を決定するために定期的に開催される会合を指します。年に8回行われ、FRB議長の声明文や後日議事録が公開され、市場は米国の金融政策の方針を把握することができます。
この会合で金利が引き上げられると、通常は米ドルの需要が高まり米ドルを買う傾向が強まります。逆に金利が引き下げられると、米ドルの需要が低下し円高・米ドル安の流れが強まります。FOMCの金利決定は、為替市場における米ドルの動向に影響を与える重要なイベントです。

貿易収支

貿易収支は、国の輸出と輸入の収支を指します。毎月、財務省が「貿易統計」として発表しています。貿易収支の輸出額が輸入額を上回る状態、つまり貿易黒字の場合、その国の通貨の価値が高まる傾向にあります。
例えば、日本から米国への輸出が増えると、米国から受け取る米ドルが増加します。この場合、日本は受け取った米ドルを日本円に換えるため、円を購入する需要が高まり、円の価値が上昇しやすくなります。この結果、円高・ドル安の状態になるため、注目すべき指標の1つと考えられます。

日銀短観

日銀短観は、日本銀行が全国の企業経営者を対象としたアンケート調査の結果をまとめたものです。この調査は3ヶ月ごとに実施され、現在の景況感と今後3ヶ月の見通しを調査します。発表は毎年4月、7月、10月、12月に行われ、時刻は午前8時50分と決まっています。特に、業況判断指数(DI)が注目されています。
日銀短観の結果が良好だった場合、通常は円の需要が高まり、円高になる傾向があります。逆に、結果が悪かった場合、円の需要が低下し円安になる可能性が高まります。

日銀金融政策決定会合

日銀金融政策決定会合は、日本銀行が日本の金融政策を決定するために行う会合であり、米国のFOMCと同じようなイベントになります。年に8回開催され、政策の発表は通常正午前後に行われ、その後に日銀総裁による会見が午後3時半に開かれます。この会合の発表内容や総裁会見において、今後の円の見通しを公表するようなことがあれば、米ドル/円相場などの為替市場では大きな変動が生じます。市場参加者は、この会合での政策決定や総裁の発言を重視し、それに応じて取引の方向性を見極めます。

まとめ

米ドル/円は国内のFX取引で圧倒的な人気を誇り、この人気に支えられた高い流動性と、実質的な取引コストであるスプレッドが狭い点が特徴です。

米ドル/円において、「円安」とはドルの価値が上昇し、1ドルの購入に必要な円が増えることを意味し、逆に「円高」とはドルの価値が下落し、1ドルの購入に必要な円が減ることを意味します。

米ドル/円の値動きを分析する際には、国内外の経済指標やイベントに注目することが重要です。身近な通貨ペアであることを利点と捉え、日常的に経済状況や要人発言などの情報を収集し、これらを基に市場の値動きを予測する習慣をつけることが収益を上げる上で重要になります。

重要な指標発表の時は相場が大きく動く可能性があるため、取引の際はリスク管理に注意しましょう。

米ドル/円のFX取引を始めるならGMOクリック証券の「FXネオ」の利用を検討しよう

米ドル/円のFX取引を始めるならGMOクリック証券の「FXネオ」の利用を検討しよう

FXネオは、GMOクリック証券が提供するFXサービスです。
業界最小水準のスプレッドを提供しており、人気の米ドル/円はスプレッド0.2銭で取引可能です。

また、パソコンやスマホ、タブレットなどさまざまなデバイスでトレード情報の確認やチャート分析ができるため、FX初心者の方も安心してトレードができる環境となっています。この機会に是非GMOクリック証券が提供するFXネオを検討ください。