FXを始めるのに必要な証拠金(保証金)とは?意味や計算方法について解説

FXネオお役立ちコラム

FXを始めるのに必要な証拠金(保証金)とは?
意味や計算方法について解説

FXを始める際に必要な資金の目安や基準を解説します。FX取引に必要な資金は、「証拠金(保証金)」と呼び、入金した資金を預入証拠金などと言い換えることもあります。本記事では、証拠金の意味やFX取引の仕組み、計算方法などを詳しく解説します。
証拠金は、取引量やレバレッジに応じて変動するため、取引を開始する際に必要な資金(証拠金)を十分に理解しておく必要があります。取引に興味はあるけれど、どのくらいの資金が必要なのかが定かではないという方も少なからずいらっしゃると思います。本記事を参考にし、取引に生かしていただければと思います。

FXに必要な証拠金(保証金)とは?

FXに必要な証拠金(保証金)とは?

FXとは、ある国の通貨を別の国の通貨に交換する取引のことで、正式な取引名称は「外国為替証拠金取引」といいますがFXと呼ばれることが一般的です。FXとは「Foreign Exchange」の略称になります。
FX取引は現物の通貨を実際に売買するのではなく、購入時と売却時の為替レートの差額を決済する「差金決済」の方式で取引が行われます。事前に一定の証拠金をFX業者に差し入れることによって、差し入れた証拠金より大きい額の取引が可能となるデリバティブ取引の一種になります。
差し入れた証拠金の額よりも大きな金額で取引することが可能となるため、利益が出たときには大きなリターンが得られますが、逆に損失が発生した時も大きな影響がでます。これが、レバレッジ取引になります。
証拠金とは取引の担保にする軍資金のことで、FX取引では事前に証拠金を入金する必要があります。

必要証拠金(保証金)とは?

FX取引に必要な証拠金の額は取引数量やレバレッジ、取引通貨に応じて異なります。FX取引をするために最低限必要な証拠金を「必要証拠金」といい、これ以上のお金をFX口座に入金しておく必要があります。なお、必要証拠金は法令で「取引金額の4%以上」と定められています。
FX取引においては、取引数量やレバレッジなどに応じて必要な証拠金の額が異なります。この必要証拠金は、通常の取引において最低限必要な担保金額となります。取引量やレバレッジが増加するとそれに応じて必要な証拠金も変動します。取引金額や法令によって要求される必要証拠金の割合はFX会社で異なることがあるため、FX取引を始める前には業者の規則や条件を理解することが重要となります。

FX取引の仕組みと証拠金(保証金)の関係

FX取引の仕組みと証拠金(保証金)の関係

FX取引ではレバレッジが利用できるため、少ない資金で大きな取引が可能ですが、取引量が増えると必要な証拠金も増加し、取引数量を減らせば必要な証拠金も減少します。
レバレッジの仕組みとしては、預け入れた資金の何倍もの取引が可能な仕組みであり、各FX業者で設定されたルールに基づいて運用されます。法令で個人の最大レバレッジは25倍(取引金額の4%)までと規定されていますが、投資資金に対して25倍までの取引が行えることはFX取引の最大の魅力です。
ただし、高いレバレッジは大きな利益をもたらす可能性もありますが、相場が逆方向に行ってしまった場合は損失も大きくなることもありますので慎重な取引が必要です。
資金を増やさずに取引数量を増やして高いレバレッジで取引をしてしまうと、投資資金の中で必要証拠金が占める割合が高くなってしまい、FX取引が難しくなることがあるので、注意が必要です。

FXにおける必要証拠金(保証金)の計算方法

FXにおける必要証拠金(保証金)の計算方法

必要証拠金を計算する方法は、通貨単位 × 現在のレート ÷ レバレッジで算出します。具体的な計算例を挙げると、米ドル/円で現在のレートが145円で、取引単位が10,000通貨でレバレッジが25倍の場合、必要証拠金は次のようになります
必要証拠金 = 145 × 10,000 ÷ 25 = 58,000円
ただし、レバレッジや通貨単位、FX会社の独自の取引ルールによって必要証拠金は変わるため、利用するFX会社にて必要証拠金を確認する必要があります。

FXの証拠金(保証金)維持率とは

FXの証拠金(保証金)維持率とは

証拠金維持率とは必要証拠金に対する純資産の割合のことで、下記の計算式から算出できます。
純資産=預託証拠金残高+約定評価損益-出金予定額
証拠金維持率=純資産÷必要証拠金✕100
証拠金維持率はロスカット判定に使用されます。証拠金維持率がFX各社で設定した水準を下回るとロスカットされてしまうので、常に気を配っておく必要があります。

証拠金維持率の計算式は以下の通りになります。(スワップなどを考慮せず単純化して計算、以下同様)
<参考例>
30万円の資金 米ドル/円 購入レート:145円 現在のレート:143円 10,000通貨、出金予定なしの場合 
純資産=300,000+(143‐145)✕10,000‐0=280,000円
証拠金維持率=280,000÷58,000✕100=482%(小数点以下切り捨て)

FXのロスカットとは

FXのロスカットとは

ロスカットとは、投資家の損失が無制限に拡大しないように自動的にポジションを精算(ロスカット)する仕組みです。FX会社では、顧客資金を守るため法令によりロスカットが義務付けられていますが、ロスカットを執行する水準は各FX会社で異なっているため、ロスカットについては事前にルールを確認することが必要です。
GMOクリック証券では証拠金維持率が100%を割り込んだ時点でロスカットアラートが発動し、追加証拠金が求められます。更に相場が下落して証拠金維持率が50%を割り込むと全てのポジションを自動精算(ロスカット)されてしまいます。
<参考例>
・米ドル/円、購入時レート150円、現在のレート135.416円、10,000通貨、出金予定なし、20万円入金の場合
└純資産=200,000+(135.416-150)×10,000-0=54,160円
└証拠金維持率=54,160円÷54,166円×100=99.99%
└為替レートが135.416円になると証拠金維持率が100%を下回るので、GMOクリック証券では、追加証拠金が求められる

・前述の例で現在のレートが132.653円になったケース
└純資産=200,000+(132.653-150)×10,000-0=26,530円
└証拠金維持率=26,530円÷53,061円×100=50%
└これ以上円高になると、証拠金維持率が50%を割り込んでしまうので、GMOクリック証券の基準では、自動ロスカットされる

ロスカットを回避する方法

ロスカットを回避する方法

ロスカットを回避するためには、証拠金維持率がFX会社で設定されている水準を下回らないようにすることが大切です。リスクを抑える方法として4つの項目について紹介します。

資金を追加して証拠金を増やす

追加で証拠金を入金すれば証拠金維持率の純資産の金額が増え、ロスカットのリスクは小さくなります。しかし、ロスカットを避けるためだけに資金を追加していると、いずれ資金に限界がくる可能性があるため他の対策も実践することが大切です。ご自身のポジションに都合のよい方向に急転せずに、さらに損失を増やしてしまうリスクがあることは認識しておく必要があります。

損切りを実施する

損切りとは、含み損の状態である保有ポジションを決済して損失を確定させることです。決済しなければ損失が発生することが無いので、意図的に損を確定させることは、投資家心理として非常に難しいところがあり踏み込むことは容易ではありません。
しかし、何%の損失が出たら損切りをする、いくら以上の含み損が発生したら損切りをするなどのルールを予め作成しておき、その条件に合致してしまった場合はルールに沿って損失を確定させます。
損切りを行えず、ロスカットされてしまう水準で取引を終えると損失金額が大きくなってしまい、再起を図ることが難しくなるためです。損切りを行うことで傷の浅いうちに手仕舞いしておけば、次の取引機会を逃さないエントリーが可能となるため勇気を持って損切りを実行することも必要です。

一部のポジションを決済する

複数のポジションを持っている場合、一部を決済することで必要証拠金が減少し、証拠金維持率が向上することでロスカットを回避することが可能です。先程の例題を複数通貨にして計算してみます

<参考例>
30万円の資金 購入レート145円 現在のレート143円 20,000通貨
純資産=300,000+(143‐145)✕20,000‐0=260,000円
証拠金維持率=260,000÷116,000✕100=224%(小数点以下切り捨て)
この状態からポジションを10,000通貨減らすと以下の形になります
損失額=通貨数✕(決済価格―購入価格)
損失額=10,000✕(143―145)=▲20,000円
2万円の損失が確定しましたので、初期資金の30万円から2万円を差し引いて、改めて証拠金率の計算をここから行います。
純資産=280,000+(143‐145)✕10,000‐0=260,000円
証拠金維持率=260,000÷58,000✕100=448%(小数点以下切り捨て)

一部のポジションを決済することで、224%だった証拠金維持率が448%まで回復したため、ロスカットの水準からは遠く離れた形となります。全てのポジションの損失を確定させるには抵抗があるという場合は、一部のポジションを決済するという選択肢も視野にいれてください。

レバレッジを低くする

レバレッジが高いほど少ない資金で多くの利益を出すことができますが、同時に損失も大きくなるリスクがあります。低レバレッジなら価格変動が証拠金維持率に及ぼす影響が小さいので、ロスカットのリスクも和らぎます。まずは、証拠金維持率に余裕をもった取引を行うことを推奨します。

リスクを抑えて取引したい方は「FXネオ」を検討しよう

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まとめ

FXを始めるためには担保の役割を持つ「証拠金(保証金)」が必要になります。FX取引では小額の証拠金でもレバレッジを利用して大きな取引を行うことが特徴の1つです。
レバレッジが高い時ほど、証拠金は少なくて済みますが、同時に大きな損失を被るリスクも高まります。資金効率は高いレバレッジで運用した方が効果的ですが、まずはリスクを抑えるために少額から始め、余裕を持たせた証拠金で低いレバレッジにて取引を行うことが重要です。
また、必要証拠金の計算方法、通貨ペア、取引数量、ロスカットのルール、レバレッジなどはFX業者によって異なります。取引を始める前にFX業者のポリシーや取引条件を十分に理解することが大切です。初心者向けの教育コンテンツや入門講座を利用することも、基本的な知識を身につける上で有益です。
GMOクリック証券の「FXネオ」は、低コストで取引ができるだけでなく、使いやすい高機能な取引ツールを提供しています。取引やリスク管理に必要な情報は画面上で確認でき、使いこなしやすい機能が充実しています。FX取引を始める際には、「FXネオ」の利用を検討することをおすすめします。