FXにおける利益計算の方法は?損益の種類や税金もわかりやすく解説

FXネオお役立ちコラム

本記事ではFXにおける利益計算の方法を解説いたします。FX取引で継続的に利益を出していくためには、FXにおける利益計算の必要性や計算方法などを把握することが重要になってきます。

FX初心者の方には、利益計算や計算方法、FXにかかる税金の有無などが「なんとなく」は理解しているという方もいらっしゃると思います。ただ、FX取引を含むデリバティブ商品は、レバレッジを活用した取引となるため、資金以上の大きな金額での取引が可能です。どの程度のポジションを持ち、どの程度の値動きがあれば、利益、損失がどの程度発生するという理解は、リスク管理においても重要になってきます。

FX取引で利益を計上した際には税金がかかります。どのような条件になると確定申告が必要になるのか、計算はどのようにすればよいのかなど、投資を行う上で必要となってくる情報も合わせて解説いたします。理解を深める一助としてください。

FXにおける利益計算の必要性

GMOクリック証券が提供するFXネオでは、通貨の取引量の単位を「ロット(Lot)」と呼び、基本的に1ロット=10,000通貨と考えます。例えば、米ドル/円の通貨ペアで1ロットの取引をする場合は「10,000米ドルの取引をする」ことと同義です。取引をする際はロットを調整することで、取引量を指定できます。ロットを大きくしたり小さくしたりすることで取引スタイルも変わってきますので、利益計算方法を把握し、リスク管理を行いつつ、ご自身に合った取引スタイルを確立してください。

FXの利益計算とは、1度の取引で実現する利益や損失を計算する方法です。なぜ利益計算が重要なのかというと、まずは過剰な取引を抑制し、適切な損切を行うためにあります。詳細な計算方法は別章で案内しますが、基本的にはpips(決済価格-注文価格)×取引通貨量(ロット)がベースとなります。

pipsとは「Percentage In Point」の略称で、各国ごとに異なる通貨の単位を共通で表記するための単位です。米ドル/円などの値動きがあると〇銭、〇円の動きになりますが、ユーロ/米ドルなどになると〇セント、〇ドルの値動きになります。FXでは単位の違う様々な通貨で取引を行うため、共通の値動きの単位で考えた方がわかりやすいので、この『pips』という略称が広く使用されます。

計算方法を把握して安全なFX取引を行う

FXではレバレッジ(※)を効かせて取引が可能なため、投資家の方々の資金以上の大きな金額を取引することができます。つまり、レバレッジを高くすることで大きな利益が期待できる反面、損失も大きくなるリスクがあります。為替レートの変動によって生まれる損益がどうなるのか、あるいは、いくら損失が発生するのかを把握することは、FX取引を行う上で非常に重要になってきます。

※担保となる保証金(証拠金と同義)を活用して、最大25倍(個人の場合)の金額を取引できる仕組みのこと。

例として米ドル円のレートが売値150.000円-買値150.002円であると仮定します。米ドル/円などの円をベースとした通貨ペアに関しては、小数点下三桁まで表示されているため、小数点下三桁までの数字が変化することによって損益が発生します。また、ユーロ/米ドルなどの日本円以外の外貨をベースとした通貨ペアに関しては、売値1.06015ドル-1.06019ドルなどの小数点下五桁までの数字が変化することによって損益が発生します。『pips』と呼ばれる単位については、日本円ベースでは小数点下二桁、外貨ベースの小数点下四桁の数字が変動する値幅を一様に『pips』と呼びます。

例)米ドル円を150.000円で買い、150.023円で売った(決済した)場合

『pips』の単位は小数点下二桁、150.023円の『2』の部分の値幅が『pips』と呼ばれます。今回の場合は、2.3pipsの利益となります。

例)ユーロ/米ドル円が1.06000ドルで買い、1.06023ドルで売った(決済した)場合

『pips』の単位は小数点下四桁、1.06023ドルの『2』の部分の値幅が『pips』と呼ばれます。今回の場合は、2.3pipsの利益となります。

米ドル/円だと1ロット=1万ドルの取引に該当するため、FX取引の最大レバレッジ25倍で取引を行う場合、150円の米ドル/円×10,000(1万ドル)=150万円の証拠金が本来必要なところ、25倍のレバレッジを効かせる(4%の証拠金で取引ができる)ため、実際には6万円の証拠金で150万円必要な取引ができます。これが、資金以上の大きな金額を取引するということになります。

1万ドルの取引を考えると、本来証拠金が150万円必要であり、新規買い注文の場合、150.00円から150.10円と10銭上昇すると、1,000円の利益となります。ただ、FXの強みであるレバレッジを効かせることで、上記1,000円の利益を得る取引の証拠金が150万円でなく6万円の資金で行うことが可能です。適切に利益計算を行い、過剰な取引を抑制することは、リスク管理の側面でも非常に重要になります。

FX取引で発生する損益の種類

FX取引で発生する損益は、2種類に分類されます。

FX取引については、取引スタイルとして大きく4つに分類されます。

  1. 非常に短い期間で取引を行うスキャルピング
  2. 翌営業日のポジションを持ち越さないデイトレード
  3. 週跨ぎのポジションを持ち越す場合があるものの、基本的には週跨ぎは行わないスイングトレード
  4. 取引回数が少なく、週跨ぎなども常時行うポジショントレード

為替レートの変動に伴うトレード損益は、全ての取引スタイルに関わってきますが、取引回数の多いスキャルピング取引や、デイトレード取引に特に大きく影響します。スイングトレード、ポジショントレードについては、翌営業日へポジションを持ち越すケースが多いため、トレード損益の他にスワップポイント損益の影響も大きくなります。FX取引の損益は、トレード損益とスワップポイント損益の合算によるものです。

※FXネオでは、スワップポイントの受払いが日々発生するため原則受払いのあったスワップポイントはすべて課税対象となります。

為替レートの変動に伴う損益

FX取引時に生じる為替レート変動に伴う損益を計算する際には、「取引数量(ロット)」、「獲得値幅(pips)」を基に計算します。売却(決済)時の為替レートと購入時の為替レートの差(獲得値幅)が、FX取引時に生じる損益となります。FX取引時に生じる損益は次のように計算します。

【日本円をベースとした取引(クロス円)】
米ドル/円を150.000円で新規買い、150.010円で売り決済した場合
円絡みの収益計算は、損益=獲得したpips数(1pips=0.01円)×取引数量

1ロット取引だと、
└10,000(1ロット)×0.01(1pips)=100円の利益

10ロット取引だと、
└100,000(10ロット)×0.01(1pips)=1,000円の利益

100ロット取引だと、
└1,000,000(100ロット)×0.01(1pips)=10,000円の利益

【外貨をベースとした取引(ドルストレート、外貨クロス)】
ユーロ/米ドルを1.06000ドルで新規買い、1.06010ドルで売り決済した場合
外貨絡み(今回はドル)の収益計算は、損益=獲得したpips数(1pips=0.0001ドル)×取引数量×ドル円レート(※150円と仮定)

1ロット取引だと、
└10,000(1ロット)×0.0001(1pips)=1ドルの利益 

10ロット取引だと、
└100,000(10ロット)×0.0001(1pips)=10ドルの利益

100ロット取引だと、
└1,000,000(100ロット)×0.0001(1pips)=100ドルの利益

※外貨通貨ペアの場合は、円転にて計算を行うため、1ドルの場合は1ドル×150円=150円と計算します。

スワップポイントによる損益

スワップポイントとは、2か国間の金利差によって発生する金利差調整分を指します。2023年11月現在、日本の政策金利は-0.10%、米国の政策金利は5.50%になっており、金利の高いドルを買って金利の安い円を売ると金利差調整分としてスワップポイントが支払われます。逆に、金利の高いドルを売って金利の安い円を買う場合は、スワップポイントを支払います。

ドルを買う場合は、米ドル/円を買うことを指します。逆にドルを売る場合は、米ドル/円を売ることを指します。

※米ドル/円などの通貨ペア表記の場合、左側に表示されている通貨が新規建て通貨、右側に表示されている通貨が決済通貨になります。米ドル/円を買うということは、新規建て通貨のドルを買い、決済通貨の円を売ることになります。米ドル/円が上昇する場合は、円を売ることになるので『円売り』『円安』などの呼ばれ方をします。

スワップポイント収益において人気の通貨ペアは、エマージング通貨(新興国通貨)になります。GMOクリック証券で取扱いのあるエマージング通貨としては、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドがあり、それぞれの政策金利は以下の通りです。(2023年11月現在)

トルコリラ→35.00%
メキシコペソ→11.25%
南アフリカランド→8.25%

日本の金利が非常に低い水準となっているため、金利差調整が大きくなることでスワップポイント収益が大きくなります。信用力の低いエマージング通貨を買い、信用力の高い円を売ってでも取引が行われる理由はここにあります。

FXの利益にかかる税金の計算方法

FXでは、所得税や住民税を金融機関が源泉徴収(源泉徴収ありを選択した場合)することにより、原則確定申告が不要となる取引口座である特定口座が存在しません。FXで得た利益に対しては、ご自身で所得を計算し、確定申告を行う必要があります。損失が出た年度については、確定申告をすることにより損失を繰り越すこともできるため、FXの年間損益を把握し、適切に納税申告、あるいは損失の繰越申告を行うためには計算方法の理解が大切です。

FXによる所得は「雑所得」に属し、雑所得が年間20万円を超えた場合には、確定申告が必要となり、税金の計算方法は基本的には以下となります。

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FXの税金=FX取引による所得×税率20.315%
※FX取引による所得=(FX取引時に生じる為替レート変動に伴う損益)+(累計スワップ)−(FXの必要経費)

※例:為替差益100万円、累計スワップ5万円、必要経費15万円の場合
FXによる所得(雑所得)=為替差益100万円+累計スワップ5万円-必要経費15万円=90万円
税金=FX所得90万円×20.315%=182,835円
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※他の「先物取引に係る雑所得等」の損益との通算が可能です。
※給与所得が2 千万円以下の給与所得者で、FX所得を含めた雑所得が20万円以下の場合などは申告不要な場合もあります。年収や勤務形態によって確定申告の要否が異なるため、税務署や税理士に相談することが大切です。

FX取引には高機能ツールが使える「FXネオ」の利用を検討しよう

GMOクリック証券が提供する「FXネオ」の特徴としては、業界最小水準のスプレッドでお取引が可能であること、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円、トルコリラ/円などの高金利通貨も取引可能であり、高水準のスワップを提供しております。

「FXネオ」は、サクサク快適に取引できる高機能ツールが利用可能です。また、パソコンとスマートフォンの両方で高機能の取引ツールが使えるのも魅力の一つです。デモ取引や手厚いサポートも利用できるので、初心者から上級者まで、ご自身の環境に合わせて利用することが可能です。特にスマホアプリについては、2年連続年間No.1(株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド調べ)と評価されており、ストレスフリーなスマホアプリの取引環境をご用意しております。

お申し込みから最短即日で口座開設が可能であり、口座開設は無料となっております。ご興味のある方は、ぜひこの機会にFX取引を始めてみてはいかがでしょうか。FX取引を始めようと思っている方は、GMOクリック証券が運営する「FXネオ」を検討ください。

まとめ

FX取引は、レバレッジを効かせて取引が可能なデリバティブ商品です。大きな利益が期待できる反面、損失も大きくなるリスクがあります。為替レートの変動によって生まれる損益がどうなるのか、あるいは、いくら損失が出るのかを把握しつつ、想定される利益と損切りによる損失を計算して、リスク管理を行いつつ、期待値の高い取引を行うことが大切です。

FX取引では為替レートに伴う損益、スワップポイントによる損益で構成されています。為替レート変動時に伴う損益を計算するには、「取引数量(ロット)」、「獲得値幅(pips)」の確認が必要です。売却(決済)時の為替レートと購入(新規)時の為替レートの差(獲得値幅)が、FX取引時に生じる損益になります。FX取引時に生じる損益は、 「取引数量」×「獲得値幅(pips)」で計算します。スワップポイントで長期保有する場合は、金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売ればスワップポイントが支払われるので、参考にしてください。

FX取引で利益を計上した場合は、税金がかかります。主な計算方法と注意点は以下です。
・FX取引による所得=(FX取引時に生じる為替レート変動に伴う損益)+(累計スワップ)−(FXの必要経費)
・FXによる所得は「雑所得」に属し、雑所得が年間20万円を超えた場合には、確定申告が必要
・他の「先物取引に係る雑所得等」の損益との通算が可能

FXで発生する損益の種類や利益の計算方法を把握しておくと、安易な取引を防止できるほか、適切に損切りを実行しやすくなります。年間損益から税金の有無を確認する際にも必要となり、利益計算のやり方に関して理解を深めることでFX取引に活かすこともできます。