見せ玉

「見せ玉」とは売買を成立させる意図がないのに、ある特定の株式などに対する大量の売買注文の発注・取消・訂正を頻繁に繰り返し、あたかもその株式の売買が活発なように見せかけて、他の投資家からの取引を誘い込もうとする取引です。

「見せ玉」と疑われないため、以下のような態様での注文にはご注意ください。
  • 自己の売(買)付注文が約定した直後に、反対の買(売)付注文を全て取消または劣後する値段に訂正する。
  • 指値の価格帯や発注数量などが、買い板(売り板)を厚く見せかけ、他の投資家からの買付注文(売付注文)を誘い込む効果を有する注文を発注する。
  • 上記行為を反復継続して行う。
  • 通常の取引の規模からして過大な数量の注文を発注する。

参考例

Aさんは、ある上場会社株式を98円から99円で合計30,000株の買付けを行った後、下表のように95円から99円の指値で大量の買い注文を発注しました。
その後、株価が上昇し、102円から104円で手持ちの30,000株を売り抜けた後、発注していた大量の買付け注文の取消しを行いました。

【ポイント】

「見せ玉」は外形的な状況により判断されます。自身の売り(買い)注文が約定した直後に、買い(売り)注文の取消し、または劣後する値段に訂正する行為は、他の投資家を誤解させ、取引を誘因する目的をもった「見せ玉」と判断される可能性があります。
注文の取消等が違法行為に該当するわけではありませんが、大量の注文発注や取消しには注意が必要です。