仮装売買(対当売買)

「仮装売買(対当売買)とは、ある特定の株式などの売買の状況に関して他の投資家を誤解させる目的で、同一人物が同じ時期に同じ価格で「売り」と「買い」の注文を行うなど、権利の移転や金銭のやりとりなどを目的としない仮装の取引です。

注文の制御について

「対当売買」は仮装売買を行う手段として用いられる取引であるため、当社では未然防止の観点より、以下の制御を行っております。

寄り前

同一銘柄の買いと売りの成行注文を双方発注される場合、同一数量の注文のみ受注します。

寄り前、ザラ場中ともに

  • 同一銘柄の買いと売りの注文を同一指値で発注された場合、後の方の注文は受注しません。
  • 指値で買い注文を発注されている場合、買い指値の価格より優先する価格(買指値以下)の売注文は受注しません。
    例:A銘柄で2000円の指値買注文を発注されている場合、A銘柄の2000円以下の売注文は受注しません。
  • 指値で売り注文を発注されている場合、売指値の価格より優先する価格(売指値以上)の買注文は受注しません。
    例:A銘柄で2000円の指値売注文を発注されている場合、A銘柄の2000円以上の買注文は受注しません。

ザラ場中

  • 同一銘柄の買い(売り)の成行と売り(買い)指値で発注された場合、後の方の注文は受注しません。
  • 同一銘柄の買いと売りの成行注文を発注された場合、後の方の注文は受注しません。
  • 取消、訂正または執行区分「指成」の注文や逆指値注文により対当した場合、審査上の注意喚起の対象となりえますので、ご注文の際はお気を付けください。
    注文制御の間隙を縫う形で対当売買が行なわれた場合は、全ての金融商品の新規取引停止措置の対象とさせていただきます。
    また、別々の証券会社を利用して、同じ時期に同じ価格で売りと買いの注文を発注されると、仮装売買とみなされる可能性が高まります。
  • 信用取引において、期日が到来するなどのやむを得ない理由によりクロス注文を発注される場合には、必ず 「①寄付で  ②同数量の  ③成行注文 」で発注してください。

参考例

Bさんは、ある上場会社株式の売買が活発なように見せかけて、他の投資家からの取引を誘い込み株価を変動させる目的で、下表のように100円で20,000株の売り注文と買い注文を同時期に発注し、同一値段において約定させました。
その後、株価が上昇したところであらかじめ98円で買付けていた20,000株を104円で売り抜けました。

【ポイント】

同一人物が同じ時期および価格で売り注文と買い注文を発注し約定させる行為は、権利の移転が伴わず、他の投資家に誤解させる目的をもった「仮装売買」と判断される可能性があります。