
「保有株を貸株サービスに出すと、配当金や株主優待はどうなるの?」——貸株サービスを検討する際、多くの方が気になるのがこの点です。貸株中は株式の名義が一時的に証券会社に移転するため、配当金や株主優待の受け取り方が通常とは異なります。
本記事では、貸株サービス利用時に配当金・株主優待がどう扱われるのか、そしてGMOクリック証券の「金利優先」「優待優先」コースを使い分けることで、どのように対応できるのかをわかりやすく解説します。
■目次
- 貸株サービスの仕組みをおさらい
- 貸株中の配当金は「配当金相当額」になる
- 貸株中の株主優待は原則受け取れない
- GMOクリック証券の「金利優先」「優待優先」コース
- 配当金として受け取りたい場合の対応
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
貸株サービスの仕組みをおさらい

貸株(かしかぶ)とは、保有する株式を証券会社に貸し出し、その対価として貸株金利を受け取れるサービスです。株式を保有したままで、追加の収益機会が得られる点が魅力です。
ただし、貸株中は株式の名義が一時的に貸し手(投資家)から証券会社へ移転します。この「名義移転」が、配当金や株主優待の受け取り方に影響を与える重要なポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 貸出先 | 証券会社を経由した機関投資家など |
| 対価 | 貸株金利(銘柄・需給により年率は変動) |
| 株式の名義 | 貸株中は証券会社側に移転する |
| 売却 | 貸株中でも売却の指示は可能 |
| 株価変動リスク | 引き続き保有者(投資家)が負う |
貸株中の配当金は「配当金相当額」になる

配当金は、権利確定日時点で株主名簿に記載されている名義人に支払われます。貸株中は株式の名義が証券会社側に移っているため、貸し手である投資家は株主名簿に記載されません。その結果、配当金そのものではなく、配当金と同額の「配当金相当額」が証券会社から支払われる仕組みになります。
金額自体は配当金と同じですが、税務上の扱いが異なる点に注意が必要です。
| 項目 | 配当金(通常保有) | 配当金相当額(貸株中) |
|---|---|---|
| 所得区分 | 配当所得 | 雑所得 |
| 課税方式 | 申告分離・総合課税・申告不要から選択可 | 総合課税(他の所得と合算) |
| 配当控除 | 適用可 | 対象外 |
| 株式譲渡損との損益通算 | 可能 | 不可 |
| NISA口座での非課税 | 対象 | 対象外(※NISA口座の株は貸株不可) |
配当金相当額は雑所得として扱われるため、配当控除や譲渡損との損益通算ができません。給与所得などと合算して総合課税となるため、所得が高い方ほど税負担が重くなる可能性があります。
貸株中の株主優待は原則受け取れない

株主優待を受け取るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)の取引終了時点で、自分の名義で株式を保有している必要があります。貸株中はこの条件を満たせないため、何も対策をしないと株主優待を受け取れないのが原則です。
株主優待を受け取りたい場合は、権利付最終日までに貸株設定を解除して、自分の名義に戻しておく必要があります。
GMOクリック証券の「金利優先」「優待優先」コース

GMOクリック証券の貸株サービスでは、株主優待の取り扱いについて「金利優先」「優待優先」の2つのコースから選べます。銘柄ごとに個別に設定することも可能です。
| コース | 金利優先 | 優待優先 |
|---|---|---|
| 特徴 | 貸株金利を最大化するコース | 権利付最終日の前後だけ自動で貸株を解除し、株主優待を取得できるコース |
| 株主優待 | 受け取れない | 受け取れる |
| 配当金 | 配当金相当額として受取 | 優待と同じ権利確定日の配当は配当金として受取/優待のない権利確定日の配当は配当金相当額として受取 |
| 貸株金利 | 継続して付与される | 自動解除期間中は付与されない |
| 向いている人 | 優待にこだわらず、貸株金利を最大化したい人 | 貸株金利を受け取りつつ、株主優待も取得したい人 |
優待優先コースを選んでおけば、株主優待の権利付最終日の前に自動で貸株が一旦解除され、優待を受け取ったあとに再び自動的に貸株状態に戻ります。手動で設定変更する必要がないため、貸株金利と株主優待の両方を効率よく受け取れるのが大きなメリットです。
【配当金の取り扱いに注意】優待優先コースを選んでいる場合、配当金は次のように扱われます。
- 株主優待と配当金の権利確定日が同日の場合:自動解除されているため、通常通り配当金として受け取れます
- 配当金のみの権利確定日(株主優待がない、または優待の権利確定日と別の場合):自動解除は行われず、「配当金相当額」として受け取りになります
つまり、優待と配当の権利確定日が同日(例:3月末・9月末など、決算と同じ日に優待・配当の両方を実施する銘柄)であれば、優待優先コースだけで配当金も配当金として受け取れます。一方、配当のみ実施する権利確定日がある銘柄や、優待と配当の権利確定日が別になっている銘柄では、配当部分は配当金相当額として支払われる点にご注意ください。
配当金として受け取りたい場合の対応

優待優先コースを利用していても、優待のない権利確定日の配当については自動解除が行われず、配当金相当額として支払われます。配当のみ実施する権利確定日の配当を「配当金」として受け取りたい場合は、ご自身で権利付最終日までに貸株設定を解除する必要があります。 具体的な手順は以下のとおりです。
- 会員ページにログインし、【株式】→【貸株】を選択
- 貸株一覧から対象銘柄の「変更」ボタンを押下
- 権利付最終日の16時までに貸株設定の解除を申込
優待と配当の権利確定日が同じ銘柄であれば、優待優先コースを設定しておくだけで配当金も配当金として受け取れます。一方で、優待がない高配当銘柄や、優待と配当の権利確定日が別の銘柄については、配当のみの権利確定日に合わせてご自身で貸株を解除する必要があります。
なお、配当金を受け取ったあとは、再度貸株を設定することで貸株金利の受け取りを再開できます。貸株を解除している間は貸株金利が付与されないため、権利確定日の16時までに貸株の再設定(申込)を行うと、金利を受け取れない期間を最小限に抑えられます。解除・再設定のタイミングは「優待優先」「金利優先」のどちらのコースでも同じです。
まとめ

貸株サービスを利用した場合の配当金・株主優待の取り扱いを整理すると、以下のようになります。
- 貸株中の配当金は原則「配当金相当額」として支払われ、税務上は雑所得(総合課税)扱いになる
- 貸株中は株主優待を原則受け取れない
- GMOクリック証券では「優待優先」コースを選べば、株主優待は自動で取得できる
- 優待と配当の権利確定日が同日の銘柄は、優待優先コースで配当金も配当金として受け取れる
- 優待のない権利確定日の配当を配当金として受け取りたい場合は、ご自身で貸株設定を解除する必要がある
株主優待を狙う銘柄では、優待優先コースを設定しておけば、貸株金利を受け取りながら優待を取得でき、優待と同じ権利確定日の配当も配当金として受け取れます。一方、優待のない高配当銘柄や、配当のみを別の権利確定日で実施する銘柄については、配当金として受け取りたい場合にご自身で貸株を解除する手続きが必要です。
貸株サービスは、長期保有している株式から追加の収益機会を生み出せる便利なサービスです。配当金・優待の取り扱いを理解した上で、ご自身の投資スタイルに合わせて活用してみてください。
よくある質問(FAQ)
- 貸株中でも株式を売却できますか?
- 売却の指示は貸株中でも可能です。売却した銘柄は、口座区分ごとに全ての貸株が自動で解除され、売却の受渡日から再び貸株設定の申込が可能となります。
- NISA口座の株式は貸株サービスを利用できますか?
- NISA口座で保有している株式は、貸株サービスの対象外です。貸株サービスは特定口座・一般口座で保有している株式が対象となります。
- 優待優先コースに設定しておけば、配当金も普通の配当金として受け取れますか?
- 株主優待と配当金の権利確定日が同日の銘柄であれば、貸株が自動解除されるため、配当金として受け取れます。一方、株主優待のない権利確定日(配当のみ実施する権利確定日)の配当は、自動解除されず「配当金相当額」として受け取りになります。配当金として受け取りたい場合は、ご自身で権利付最終日までに貸株設定を解除する必要があります。
- 優待優先に設定していれば、すべての銘柄で自動的に優待がもらえますか?
- GMOクリック証券では東洋経済新報社から提供される株主優待情報をもとに自動解除を行います。優待情報が登録されていない銘柄では自動解除が行われないため、ご注意ください。
- 貸株金利はいつ受け取れますか?
- 銘柄ごとに日々計算された金利を1ヶ月分まとめて、翌月20日(営業日でない場合は前倒し)に証券口座へ入金されます。
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